映画といっぴん

ただの会社員です

「何者」感想 リアルな就活事情。心の闇に突き刺さる映画

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あらすじ

就職活動の情報交換のため集まった大学生の拓人(佐藤健)、光太郎(菅田将暉)、瑞月(有村架純)、理香(二階堂ふみ)、隆良(岡田将生)。海外ボランティアの経験や業界の人脈などさまざまな手段を用いて、就活に臨んでいた。自分が何者かを模索する彼らはそれぞれの思いや悩みをSNSで発信するが、いつしか互いに嫌悪感や苛立ちを覚えるようになる。そしてついに内定を決めた人物が出てくると、抑えられていた嫉妬や本音が噴きだし……。

映画『何者』 - シネマトゥデイ

最近は洋画ばかり観ていたけれど、今回は邦画。
観ている間も観終わった今も、自分の人生について考えさせられている。
なので、整然とした文章にはならないかもしれないけど感じたことを書きたいと思う。

こんな人たち自分の周りにも必ずいる。

この映画、原作と脚本がよく出来ているからなのか、自分のずっと抱えている歯痒さにヒットしてくるからなのか。どっちもなのかもしれないけれど、登場人物に感情移入しとても話に引き込まれる。人によってどの登場人物に自分を重ねるか変わってくると思う。残念なこと主人公は今の自分にそっくり

話の内容は就活生あるあるすぎて何度も頷いてしまった。安定思考の人や就活に縛られたくない人。将来のことを考えてなさそうな子がさくっと内定を取り、アピールポイントを持ちまくっている人が決まらなかったり。そしてそんな友人の粗探しをし、内心蔑むことでしか自分を維持できない主人公。

私自身は企業説明会もWebテストもグループディスカッションも受けたことがない。
だけれど、就活ではあーなんかこういう子いたな。似たような気持ちになったな。と思い出した。

就職出来る人と出来ない人の違いとは?

私は学生の頃、就きたい仕事があった。でも他に優先したいことができ、そのために就きたい仕事は諦めて優先したいことを実現できる企業に就職した。

ここまでは瑞月や光太郎のように現実を見ながらも、自分の希望を叶えるにはどうしたらいいかというすり合わせができていたから就職できたんだと思う。だから、後悔はしていない。

しかし優先したかったことを達成した今、大してやりたくもない仕事をやっている私の側で周りはキラキラ生きている。

それを認めたくないから、でもあの人はこうだからと自分の中で非難する。拓人みたいに。(さすがに裏アカウントは作らないけど(笑))
サワ先輩の言葉なんかは私にもすごく刺さってきた。

 痛くたって寒くたっていいじゃないか

就活に限らず、他人を蔑むことで自分を保とうとする。そんなこと誰にでもあるんじゃないだろうか。それはする側される側どっちもだったりするかもしれない。
そんなの格好悪くて小さい人間だ。

しかし、特典映像で「絶対内定シリーズ」の著者熊谷さんが語っている。「拓人は一番強い夢をもっている」と。
拓人のようになってしまうのは完璧であろうとするが故のこと。

自分は自分にしかなれない。痛くてカッコ悪い今の自分を、理想の自分に近づけることしかできない。みんなそれをわかってるから、痛くてカッコ悪くたってがんばるんだよ。カッコ悪い姿のままあがくんだよ。

 文字に書き起こすと簡単だが、これを行うのはとてもつらいことだと思う。
だけど夢を叶えるために一番必要なことなのではないだろうか。

今大学生の人じゃなくても、上手くいかなくて悩んでいる、他人と比べてしまう。
そんな拓人みたいな人に観て欲しい。何か変われるきっかけになる映画だと思う。

 

※追記

拓人と隆良、サワ先輩が大学生(院生)に見えない・・・。(ちょっと老けてない?笑)