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感動コメディ「オーケストラ!」感想 叶えられなかった夢がある人へおすすめしたい

 

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オーケストラ! : フォトギャラリー 画像 - 映画.com

あらすじ

1980年、ロシア・ボリショイ交響楽団から多くのユダヤ人が連行され、それに反対した天才指揮者のアンドレイも楽団を解雇されてしまう。アンドレイはいつか復職する日を夢見て、30年にもわたり劇場清掃員として働いていたが、ある日パリのシャトレ座から送られてきた出演依頼を見つけ、偽のオーケストラを結成することを思いつく。

オーケストラ! : 作品情報 - 映画.com

 

音楽が好きな人、志半ばで夢を断たれてしまった人、過去の出来事に未練がある人におすすめしたい。

ジャンルはコメディらしいが、ソ連時代の史実をベースとした笑って泣けるヒューマンドラマでもあると思う。

 

音楽の素晴らしさ

オーケストラ!というタイトルだけあり、随所にクラシックが流れている。
作品内ではそれぞれ違った人種の登場人物が、それぞれの音楽を通して繋がっていく。
特にロマ(移動型民族)と共に音楽に乗って踊る場面は私も踊りたくなるほど楽しいシーン!
クラシックと聞くと上品でハードルの高いイメージだが、音楽ってもっと自由で楽しいものなんだと思った。クラシック好きな人ならシーンと曲が相まってもっと楽しめるはず

 

人間味のある登場人物

脇役のキャラクターがそれぞれ個性が立っていて、面白い。特に好きなのが主人公の妻のイリーナ。
序盤でパリに行く計画をイリーナに話したときの言葉、「あなたと離婚するから……パリに行かなかったら」、パリに行く交通費が用意できなくなってしまった時にイヴァン言い放った「タマを食いちぎってやる」発言など。正義感があるけどすごい気の強い奥さんだなあと思ったが、
アンドレイとアンヌの関係性が分かってからは、ただ正義感が強いだけじゃなく、これまでのアンドレイの苦しみに常に寄り添い、彼が再び元の輝きを取り戻すことを信じているということが感じられ、イリーナの発言に対して感じ方が変わった。
私も大切な人の進む道を見守り、後押しできるような強い人になりたいな

 

感動のクライマックス

 一番の見所はラスト、チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲の演奏だ。
この12分のためにこの映画があるんじゃないかと思うぐらい。
演奏の最初こそはやっぱり寄せ集めのぶっつけ本番オーケストラじゃ駄目か…といった感じだが、アンヌのソロが入った瞬間、オーケストラが一致団結、美しく調和されたメロディーが奏でられる。
アンドレイは30年前、果たせなかった想いを今、アンヌと共に遂げようとしている。すべての未練を断ち切ることができたのだ。
この曲の間、涙が止まらない!
途中男同士のキスにはポカーンとしてしまったけど…(笑)

 

 

そんな訳で、一度途切れてしまった夢でも、チャンスはまたどこかで訪れる。
"太陽は毎日朝昇る、夜じゃない"
今は夜だけど、明日チャンスが訪れるかもしれない、そのチャンスを逃さないように。
そんなふうに感じた。